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記事一覧

嵐山光三郎『追悼の達人』

嵐山光三郎といえば、昔は「E気持ちなのでR」といった、「ABC文体」など軽薄な感じであった。「素人庖丁記」という料理の本を出す頃からか、少し変わって、今は文人についての本を出したりもしている。この本もそんな一冊で、640ページもの大部な文庫本である。49人の作家を没年順に掲載。正岡子規から小林秀雄まで。「生まれた順ではないから、長寿の作家はあとになる。明治、大正、昭和の作家を没年順にすると、また違った...

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山平重樹『連合赤軍物語 紅炎』

今回の話題は好悪が激しいので、興味がない方はパスしてください。 先日、永田洋子氏が亡くなった。今年の冬は寒かった。自らが逮捕された2月に亡くなったということに、一種の感慨を覚える。死刑囚として牢獄にあり、まともな治療を受けられずの病死である。 連合赤軍事件といっても今の若い人には知らない人も多いだろう。今の小学生にとって、阪神大震災や地下鉄サリン事件が、歴史のように。 時代はベトナム戦...

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有川浩『阪急電車』

阪急電車と言っても、大阪と神戸を結ぶ本線ではなく、宝塚と西宮北口を結ぶ「今津線」が舞台の短編連作の小説である。 物語の運びが巧みだ。1本目では図書館で見知っていた男女が会話を交わす(やがて恋人に)。 次の駅名が舞台の小説では、そのカップルを見ていた女性の、婚約者への復讐劇の回想。 そして、そのカップルを見ていた老女と孫が、復讐劇をした女性に話しかけて…その孫を怖がらせた大学生カップルが次の話題で…とつな...

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是枝裕和『歩いても歩いても』  と[平澤かまぼこ]

保坂和志に代表される、ひところ流行した、とりたてて筋のない「平凡な日常」を描いた小説の系譜に連なるか。 作者はテレビのドキュメンタリー番組の演出家。  話は、40歳になって、子連れの女性と結婚。5年生の男の子の父親になる。 京急に乗って久里浜の実家に行く。そこには元医者の偏屈な父と、これまた一筋縄ではいかな母が住んでいる。老母は、若くして亡くなった主人公の兄のことが忘れられないでいる。 医者を継いだ...

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藤井誠二『「悪いこと」したら、どうなるの?』

少年犯罪への厳罰化を背景に、事件を起こした加害者はどうなるのか、家族はどうなるのか、被害者家族はどうなるのか、そういったことを当の少年世代に向けて書かれた本。犯人は家庭裁判所で「審判」を受けるので、刑罰を与えられず「保護処分」を受ける。保護処分には3つあり、「保護観察処分」、「児童自立支援施設」に入所、「少年院への送致」に分かれ、少年院送りは全少年犯罪の約0・2%。被害者家族は犯人の名前どころか、...

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王子の狐

Author:王子の狐
Yahoo!からの引っ越しです。
現在は東京・神奈川での飲み食いの記事中心。
昼は人形町、夜はあちこちに出没しています。

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