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色川武大『寄席放浪記』

「僕は席亭になるのが夢だった」という筆者が、今自分が書いて残しておかないと忘れられてしまうような落語家、色物芸人、浅草軽演劇の役者、時代劇のわき役などを紹介している。
それは渋い演技をする役者や、なぜこれだけの実力があるのに売れないのか、という芸人ばかりではない。
むしろ「まずかったりつまらなかったりの人は、それなりに、そのつまらなさに味が出てくる。生理的に嫌いな人でも、その嫌いなところが捨てがたい」との思いで紹介する。
「退屈な寄席というものは、相当に苦痛で、居ても立っても居られない」が、「その退屈を味わいにきている」のが「贅沢な遊び」だとも言っている。
いろんな変な人がいるなあ、というのが感想で、変な売れない芸に一生を費やした困窮ぶりが可愛くいとおしく思えてきた。

また、「深見千三郎はビートたけしのお師匠さんだ。この前、たけしがね、ぼくにいままで深いおじぎなんかしたことないのに、うやうやしく頭をさげるんだ。深見千三郎のことを書いていただきましたからって」というようなほろりとしたエピソードも多い。

底本の初版は86年なので、やや古いが、もともと古い芸人・役者の紹介なので、内容は古びて感じない。

2010年4月29日読了
2007年2月初版 河出文庫

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コメント

No title

こんばんは♪

この頃は本を読まなくなってしまいました
もう一度、ゆっくりとした時間に本を読んでみたくなりました
色んな考方や見方があるんですね
もしかしたら・・
この箇所、自分も同じ思いだな~
なんて思うかもしれない本ですね

ゴメンなさい
無知な私です、コメントに笑わないで下さいね(>o<")

No title

よっこさま。
いえいえ、笑うようなコメントではありませんよ。

確かに、自分も電車で立っていると読めるのですが、椅子に座ったとたん、爆睡です(朝でも夜でも)。

昔と違って、本以外に知的刺激のモノはたくさんありますからねえ。

No title

はじめまして。昔、読んだ記憶がありましたが忘れました。第二章にある色物芸人の話があったと記憶しますが漫才師や色物芸人を教えていただけるとありがたいです。?鵺 色物芸人たちの世界
剣舞の芸人/楽器の芸人たち/盲目の大入道・富士松ぎん蝶/整理の人・一徳斎美蝶/グレート天海とヘンリー松岡/女芸人あれこれ/ポパイよいずこ…とあるはずですがポパイとは誰でしょうか。

No title

八咫鶏太さま。
はじめまして。
いま家の中を屋探ししてみたのですが、見つからず、図書館で借りた本かもしれません。
見つかり次第、またここにかきこみますので、まことにもうしわけございません。

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王子の狐

Author:王子の狐
Yahoo!からの引っ越しです。
現在は東京・神奈川での飲み食いの記事中心。
昼は人形町、夜はあちこちに出没しています。

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