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三浦海岸で河津桜と菜の花を見ながら、二人の男のことを追悼する

三浦海岸の河津桜を今年も見に来た。

そのことを早出し撮って出し的に書きたいのだが、どうも気が重い。

梶井基次郎を知っていますね。「檸檬」1編で近代文学史に名を遺した短編の名手だ。

最近も地方の書店が閉店するというのを悲しんだ一人の少女が店の本の上にレモンを置いた、そんな記事が出ていた。

その梶井の作品に「桜の樹の下には」という短編がある。昔の文字サイズの文庫本で3ページしかないので掌編小説というべきものだ。

そのはじめの1行は「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」という衝撃的な書き出しだ。

その作品とは関連しないが、自分も桜をあと何度見れるだろうと妙に桜の花には寿命とか死とか想起させるものがある。

そして今日は花を見ながら、もう桜を見られなくなった男たちのことを書く。

散歩記事ではない感じなので閲覧注意です。

 

京急はいろんなタイアップで駅表示をよく変える。

桜まつりの開催中は桜をあしらった駅表示だ。

しかし今年はコロナ禍の緊急事態宣言中ということでまつりそのものは中止。看板も出店もない。駅名表示もご覧の通りだ。

1三浦 

それでも人間の思い悩みとは無縁に桜は咲く。

今日は飛び石連休のはざま、平日のはずだが、気温も上がり人出が多い。

桜よりも近くの菜の花の香りが強くする。

2三浦 

前日の日曜のことだ。めったにないことだが、電話のムーブが揺れた。

それは同い年のブロガー仲間の  mojitoさんからだった。数日前、誤作動で電話をかけたようになって、ショートメールでそれは誤りだったこと、お変わりないですか的に送ったことへの返信だろうと気軽に取った。

電話口には若い女性の声が何度か「―さんですか」と問う(自分も彼も本名で登録している)。そうだと言うと娘さんの上の方だったのだろうか、冷静な声で「父が死にました」と言う。いつ。17日に。急性肺炎だったと言う。「供花香典の儀はお断りします」と文面のように語る彼女は、ふと「父とはどういう関係ですか」と問う。

ブログ仲間でよく一緒に呑みましてねと言うと、ああブログをやっていたのは知っています、そんな感じで切れた。

 3三浦

大病を何度か繰り返した彼が亡くなることはそう意外でもなかったが、それはまだのような気がしていた。あと何回か飲める、そう思っていた。絶句だ。

しかしこうして娘さんが連絡してきたということは、生前生き別れのようになっていた娘さんたちに看取られたのだろう、もしそれなら少しの救いがある。

 4三浦

彼とは大船で東神奈川で上野でみのり台で松戸でと何度も呑んだ。あまりお互いのことに立ち入らないのがブロガー仲間との飲みである。詳しい身の上は知らない。

元旦に電話の着信があり、その日は仕事で出られなかったがそのあと折り返さなかったことが悔やまれた。

我々弱小ブロガーは誰かが書き記さないと忘れられてしまう存在である。

だから記しておきたかった。

 5三浦

右に折れる道を降りると小松ヶ池へ行く径がある。池の前に出た。

 6三浦

座って久里浜駅前のファミマで買った檸檬堂。サーモスの保冷缶に入れているのでいつまでもキンと冷えている。

ベンチでつまみの煎餅を食べている自分を見た幼児が、自分もおやつが食べたいという。「おやつタイムにしようか」と若いママが応じる。

 7三浦

実は今日の最寄り駅の横須賀線のホームで電車を待っているとき、090で始まる電話の着信があった。

誰だろうと不審がりながら出ると「小豆島の妹です」と言う。ああ。「お兄ちゃん亡くなりました」えっ、いつ。自宅で亡くなっているのが見つかって、3日か4日前だろうと。

週に1回は訪問していたのが2週間行けずにいたら、知り合いがたまたま家に行って見つけて。ほら、前に何かあったら連絡してとゆうてたやろ、ほんで電話してん。

孤独死かいな。そうや。なんで。急性アルコール中毒だろう。

 8三浦

「これで完全に縁が切れてもうたな」と、さばさばしたという感じではなく、むしろしみじみとした風に妹は言って電話は切れた。

あなた妹がいたのかと誤解されるかもしれない。義妹だ。

 9三浦

姉が瀬戸の花嫁よろしく小豆島に嫁いだ。やがて母親が脳出血で倒れ、姉が老両親を引き取った。父が死に、姉が死に母が死んだ。

姉と母の時はブログをやっていたのでどこかに記事があるだろう。

そのお相手の兄が亡くなり、その意味で「完全に縁が切れてもうた」のだ。

姉と兄の間に子どもはいない。

 10三浦

小豆島は独身の頃を含めて何度も行った。嫁や娘も楽しんでいた。

自分の直近の思い出は、母が亡くなるということで二度ほど伺い、兄貴と小豆島で飲み歩いたことだ。

あとは、まだ独身時代か、兄と甥っこたちとで小舟で釣りに行ったこともあった。

あの世で河内弁の姉に「来るのが遅いんじゃ」と叱られているのか「まだ来んでええのに」と言われているのか。

兄が誰かと再婚してくれたら、こんなことにはならなかったかもしれない。再婚すればいい、そんなことも自分は言った。

姉の死後、いさめるものがいないと酒量は増える。

とても優しいいいやつだった。

 11三浦

何だか身の周りが次々といなくなる気がする。

そういう年齢だろうか。そんな話をあとで飲み屋ですると、同い年のママさんが、まだそんな年齢でもないだろう、と言ったが。

そんな飲み屋の話は来週の水曜木曜に。

話が重くなったな。仕方がない。お許し下さい。

 12三浦

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コメント

No title

お互い60の壁を元気に乗り越えていきたいものですね…合掌m(__)m

Re: ノブさま。

まったくです。今年は男の前厄。無事に本厄・後厄と乗り越えたいものです。

No title

mojitoさんのブログも拝読していて、狐さんとの松戸での交流も存じておりました。
いつしかmojitoさん、ブログを止められお元気でお過ごしか気になっていました。
コメント通じて,狐さんと交流深まったら、内緒で安否を教えて頂こうと思っていました。
と、いうのも、mojitoさん、若い時から美形で、仕事もでき、にもかかわらず激務の合間を縫って毎日ウイスキー一本空ける破滅的な飲み方。
酒以外は幸せを約束されていたのに、晩年は鎌倉の家を追われるように出て、松戸に隠棲し、肝硬変で何度も入院と、何とも気になる人物でした。
生前、交流はありません。mojiitoさんの人物像は、全て今は読めないブログからです。
合掌

Re: 独居さま。

そうでしたか。
そこまで読み込まれていたと知ったら、さぞ喜んだことでしょう。
何か嫌なこと後あってやめられていたのですが、少し前にここで復活したのですが、数件投稿したきりでした。
彼と行った店などもまた訪れてしのんでみます。

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No title

父は樹木葬にしたんです。
生前、お墓参りって寂しい気持ちになるけど、桜が咲いていたら気持ちが明るくなるだろう。って言っていて、
梶井基次郎みたいだ、って思いました(笑)

親しい方が亡くなるのは寂しいですね。
お花とレモンサワーに癒されそうです。

Re: 13:03のナイショさま。

> おふたりのご冥福をお祈りいたします。
>
> 誤作動でmojitoさんとおっしゃる方に電話がかかってしまったこと、なんだか偶然とは思えませんでした。

非公開とトップ5では表示されず、すいませんでした。
そう、虫の知らせならぬ酒の知らせ(笑)。

Re: 0:33のナイショさま。

> 年末叔父が立て続けに。
> 身内だけでのお別れでした

たけ続けということはお二人も?
今は家族葬が多いですね。
お悔やみ申し上げます。

Re: Ariaさま。

お父さんホントお優しいです。
自分も白いモクレンの根本ならいいかな。

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王子の狐

Author:王子の狐
Yahoo!からの引っ越しです。
現在は東京・神奈川での飲み食いの記事中心。
昼は人形町、夜はあちこちに出没しています。

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